最初にお伝えしておきます。
今日は「ネタバレ」だらけです。
最初書き出した時は意識していたのですが、どうも臨場感が出ない!
そして同時にこうも思いました。
「ネタバレしたくらいで、この作品の魅力はなくならない。ネタバレした後見ても、十分楽しめる!!」
という境地に行き着いたので、思う存分に書くことにします 笑
それでは、参りましょう。
「やっぱ、ロケットは最高だなーー!!」
最後の阿部寛の台詞は秀逸だった。
ロケット計画=自分の夢
ガウディ計画=人の夢
第1部で自分の夢を達成した佃(阿部寛)は、第2部で医療業界という「人の命」に関わるジャンルで奮闘した。
当然、紆余曲折あったが、最後見事に色んな意味で勝利を掴んだ。
「人の命を救う」=「人の夢を叶える」という新しい「夢」を達成させた後、また自分の夢のロケット事業の成功後の台詞・・・
「やっぱ、ロケットは最高だなーー!!」
うん。凄い素敵だった。
半沢直樹に次いで、
・直木賞作家:池井戸潤 原作
・脚本:八津弘幸氏、
・演出:福澤克雄氏
今、考えられる最強のヒットメーカーコンビが今回も期待以上の作品を世に出してくれた。
実は演出の福澤さんは慶應大学ラグビー部の先輩だったとこの前の忘年会で知ったというサブイ状況……
※福澤さんのプロフィールWikipediaはこちらから
今回も僕なりにヒット要因を分析してみた。
他の記事との被りがあるところもあるけど、お付き合い頂けましたら幸いです。
■ 連載中にTV放送
僕は当然池井戸さんファンだから下町ロケットの原作は読んでいる。
だから第1部が終わった瞬間・・・
「あれ? 第2部って何やるの?」と思った。
というのも、下町ロケット2:ガウディ編の存在を知らなかったから。
(おいおい…池井戸さんファンって言わなかったっけ? 汗)
「えっ!? そんなのあり?
普通単行本とかになってから放送じゃない?」
そんな新しい仕掛けも話題を呼んだと思う。
(きっと、書籍の売り上げも倍増でしょ)
■ キャスティングの妙 + 若手俳優の実力
吉川晃司
今田耕司
バカリズム
高島彩
今野(お笑いのキングオブコメディのボケ担当)
こういったある意味見慣れないキャストを採用したこと。
で、
それが、
「かなり重要な役どころ」だったことが驚いた。
こういう狙ったキャストは今まで、話題作りのため、脇役の脇役くらいなのが普通。
ドラマの成功を左右するくらいの重要な役に、俳優がメインじゃないキャストを抜擢したことが素晴らしい。
困ったら
「谷原章介」「藤木直人」と言ったオールマイティのキャストをすぐに採用する他のドラマとは一線を画した。
結果、映像から
「真新しさ」を感じた視聴者は多いはず。
(既視感が少なかったとも言える)
こういう乙な演出は勇気がないと出来ない。
個人的には演技もまだまだ慣れてない高島彩の奮闘にMVPを与えたい。
(・・・だからお前はいつも誰目線なんだ! 自分ツッコミw)
本当に素晴らしかった。
そして、若手俳優の演技が秀逸過ぎた。
特に中村倫也の演技は正直震えた…
それは一度、甲斐秀樹もFacebookに投稿している。
その他脇を固める、これまた僕らからしてみたら「見慣れない人たちの活躍」が華々しかった。
スタッフのこのチャレンジは素晴らしい。
先ほどもお伝えしたが、ドラマで困ったらキムタク、バラエティで困ったら明石家さんまの起用を第一優先にする、
考えることから逃げている番組作りとは明らかに違ったように思う。
何よりも圧倒的なストーリーと演出に自信があるから成せる技だ。
このヒット作をきっかけに、あまりテレビに出ない優秀な俳優陣の活躍人を期待しています。
■ テンポ感
実は上記理由は、報道されていることとそんなに変わりは無いと思います。
実は僕が今日1番言いたいことはこれです。
「テンポ感」
勝手な予想だが、テンポ感の演出に拘ったからこそ、この連載中にTV放送という荒技に出たのでは?と思うくらい。
どういうことか?
普通1ドラマ10話を他の原作から持ってくるとき、単行本1冊辺りのストーリーを10話で完結するのが普通。
(半沢直樹はそうだった)
そうなってくると、どうしても中弛みしてしまう時が出てくる。
例えばで言うと、東京ラブストーリーも、ロンバケも、なかなか主役とヒロインが結ばれない時期が長いと、、、
「イライラする」
じらされると、なんか面倒くさくなる瞬間が出てくる。
基本、ドラマの構成は神話の法則に基づいている。
山あり→谷あり→またまた山あり→谷あり
で、最終的にHAPPY END
最後HAPPY ENDで終わるのが分かっていても、途中でイライラする時間が長いと人は離れたりする。
今回第1部の第1話は、こんな感じだった。
■ 佃製作所が大手企業に悪どい手法で訴えられる
↓
■ 佃製作所の昔からの弁護士(お亡くなりになった阿藤快さん)が失敗しまくる。
↓
■ 危機的な状況の中、新しい弁護士登場(この恵俊彰の配役も秀逸)
↓
■ 圧倒的な不利な状況から1発逆転の目が見えて来る
と、こんな濃い話が1話に凝縮されている。
だからイライラする時間が「短い」。
見終わった後、まだまだ佃製作所の危機的な状況は変わらないが、「明るい未来」を感じて、気持ちよく終われるということ。
今までのドラマだったら、上記ストーリーだけでも3話くらい引っ張っていたはずだ。
その、心地よい「テンポ感」が毎週楽しみに待たせてくれる要素だったと強く思います。
以上、僕なりの下町ロケットのヒット要因を大きく3点挙げさせて頂きました。
本当になんか調べれば調べるほど、
「成功すべくして成功した」と思うけど、
きっとスタッフ陣は不安もあったはず。
半沢直樹で大ヒット後、実は全く同じスタッフ
・直木賞作家:池井戸潤 原作
・脚本:八津弘幸氏、
・演出:福澤克雄氏
で、ルーズベルトというドラマを唐沢主演でやったが、正直、半沢直樹ほどじゃなかったという落胆の声が上がったのも事実。
僕的には半沢直樹のキャスティングと被らせ過ぎたのがダメだったように思うが…
でも、3度挑戦してまた成功。
凄い。本当に毎回試行錯誤の連続だったと思う。
細かいところから、大胆なところまで。
HDDと言ったハードの充実ぶりに加え、インターネット・Youtube・SNSの台頭。
スカパー・WOWWOW・hulu の好調ぶりなどで、特に若者を中心にテレビの視聴態度が変わってきている今のご時世…
「やっぱ、TVのcontents力はすげえ」
と思えた瞬間でした。
実は昨日のかとうさんとの合同workshop後の懇親会で、何人にも言われました。
(僕のPARTがかなりTVに寄っていたので)
「この業界TVを観ない人が多い中、三浦さんは、なんでそこまでTVに拘るのですか?」
「いつ観ているのですか?」
などなど
だけど、僕は速攻でこう言いました。
「僕はインターネットやメルマガはMEDIAだと言う意識が強い。
だからMEDIAビジネスをやっている感覚です。
MEDIAはお客様の生活の1部に食い込まないとビジネスにならないと思う。
そんな中、どう考えてもまだまだMEDIAの王様はTV。
王様の研究を続けることで、僕らのビジネスチャンスは眠っていると強く思っている。
分かりやすく言うと、TVでは見れない内容をYoutubeで上げるとか
・・・とは言え、個人的に大好きだという気持ちが強いですが…
だからこれからも研究し続けます。」
ベタで言うと、MEDIAこそcontentsBusiness。
環境が変わっても視聴率が減ってもアクセスが減っても、contentsがよければ、人は集まってくる。
MEDIAの王様:TVの研究は僕自身今のところ、やめるつもりはありません。
それと勘違いを一つだけ。
「TVを観なくなった」と言いますが、相対論であって、絶対論では圧倒的な強さは未だ未だTVです。
その入り口を分かっているだけで、TVとの向き合い方も変わると思います。
なんか、最後変な方向に行きましたが、
最後、佃=阿部寛の決め台詞で締めましょう!
「なんじゃ!こりゃ!?」
・・・・
・・・・
・・・・
失礼致しました……
ではでは 笑
PS
昨日の懇親会で言い忘れましたが、僕がTVを研究し続けるもう1つの理由は、やはり
「エンターテイメント性」です。
如何にMEDIAに触れてもらった人を楽しませることができるか?
「ワクワク感の演出」
だからこそ、TV研究と言いながら、「ドラマ」と「お笑い」中心になるのをお許しください 笑
・・・おし! TVの話ばっかだったけど……今日もやり切りましょう!!